蛇の目ってなんぞや?!
 
へび調査隊記
 2010年08月06日

3日目
荒神山神社 大蛇岩
宿泊先でみんなが まだ寝ている早朝、こっそり抜け出し わたくし隊長1人調査に出るのであった。

まずは 荒神山神社にお参りしてからである。
林道日夏山線と呼ばれる林道から荒神山側にある 荒神山神社に参拝に。


荒神山神社
荒神山神社 拝殿
右側に幣殿?社務所?につながる通路が右に、屋根も右側に伸び、ちょういと変わった形に感じました。
社紋は”丸に三つ引き”
荒神山神社 西側 側面 東側から本殿
所在地
電話/FAX (0749)43-5545
拝殿開扉時間 (通常) 朝8時頃 ~ 夕方5時~6時頃(日没頃)
ホームページ http://kojinyama.org/
地図 緑色の矢印が大蛇岩のあたりですが 
ズームインして荒神山を見ることができます。

大きな地図で見る
*上記案内は調査当時のものです。必ずオフィシャルサイトでご確認の上お伺いください。

荒神山神社 境内調査
荒神山神社由緒記

上記リンクにも掲載されていますが

天智天皇の時代、近江国(現滋賀県)に四ヶ所の祓殿(はらえどの)が設けられ、その1つが荒神山であり、荒神山神社は、祓殿及び御祈所と定められていました。

 聖武天皇の時代 行基菩薩は犬上郡に四十九院の伽藍(がらん)を創建されました。竃(かまど)の神、三宝荒神(大日・不動・文殊の三体)を勧請(かんじょう)して、ここを奥の院とし、奥山寺と名付けます。

 戦国時代 奥山寺は叡山派(天台宗)であることから、織田信長の兵により焼き払われました。

 江戸時代 井伊直政以降井伊彦根藩の崇敬極めて厚く、明治初年の廃藩に至まで約三百年間は毎年米十五石を供進されるなど莫大な寄進や建物修築等が行なわれる。

 慶応4年 神仏分離の官命により、祓殿及び奥山寺(三宝大荒神社)を廃止し、新たに社殿を造営しました。これにより祓殿荒神社、三宝大荒神社を改め荒神山神社と改称して今日に及んでいます。

 ここでも、仏教 神道 との対立が良く見て取れます。
本殿と拝殿の間に石灯篭。

あたしゃこの奥の石灯篭が豊臣秀吉寄進の石灯篭と思ったのですが どうも違うっぽい・・・。

庭園にあるようですが・・・。
手水舎

うし

神様のお使い
ダマノキ 璞(だま)の木 

行基菩薩が伊勢神宮の外宮の御神木、小賀璞の実を戴いて境内に植えられたものといわれている。
巫女さんが舞いをする時などに振られている鈴は、この木にできる実の形を真似てつくられているそうな。

(彦根指定保存木)



 先に調査したのが荒神山山頂付近の荒神山神社であります。
わたくしはてっきりこの周辺に大蛇岩があると思ったのですが、どうも違うみたいで、参拝の地元の方に伺うと、「○○地区の○○の云々にある」とお伺いしました。(○○が何だったかもう忘れてしまった・・・。)

 そこで その○○地区というあたりに行き其処の地元の方にお伺いするのですが地元の方も 大蛇岩を知らないといううんです。
 何人か近所の方がお隣さんや、そのまたお隣さんに聞いてくださり、もうひとつの荒神山神社から行くということを教えていただくことができました。(皆様ありがとうございました。お世話になりました。)

その前に もうひとつの荒神山神社調査です。


荒神山神社 本坂
荒神山神社
彦根市里根町の天寧寺境内奥にあった井伊家祖霊社の社殿を当時の彦根市長・井伊直愛さんより譲り受け移築されたのが この(ふもと)の荒神山神社のようです。
拝殿 拝殿 本殿 一緒の様式 茅の輪くぐりの跡か?
本坂入口
遥拝所としての
神社だったようです。
手水舎  
由来が書かれているようですが読みにくい。

この麓の荒神山神社にたどり着いたものの

とても素人では大蛇岩にたどり着けません。 たまたまこの神社の宮司さんらしき方がいらっしゃいましたので行き方をお伺いすることができました。


いよいよ 大蛇岩調査記です。

麓の荒神山神社の左手にたんぼが広がるのですが神社脇の用水路に沿って西方面に歩いていきます。

途中石の橋(小さい)がありますので渡り、
山のほうへと進みます。

すると イノシシ?よけの柵が現れ 踏み台のようなものが現れますのでここでこの柵を乗り越えておきます。

ここで乗り越えないと
柵を乗り超えることができません。
どなたかの私有地の可能性が高いので くれぐれも 柵や周辺を傷めないように!!。
こんな感じに 柵は続く・・・。柵沿いに歩く

蚊もいます。

ちょいとぬかるみっぽいところもありました。
こんな 感じの 「蛇岩参道」標識が見えたらこっちのもの
今度は山に登るように進みます。

しかし!! 参道とは呼べません。

しっかり竹やぶである。
大蛇岩 ごたいめ~~ん!!
2匹の大蛇のようである 真上から
正面から
注連縄が朽ちて
落ちていた・・・。
 
おそらく 今回の行程を地図にするとこんな感じである。荒神山神社本坂に至るまでにこの山を2周くらい周っている(涙・・・。)


 



*上記案内は調査当時のものです。必ずオフィシャルサイトでご確認の上お伺いください。

感想
 最近いろいろ 調査して感じることは・・・
こういった岩、イワクラと呼ばれるものは古墳や墓と関係するということである。

現に荒神山神社HPに記されるように
山頂付近には4世紀末頃の荒神山古墳があり、彦根市指定史跡が最近国指定となったようです。

全長は124メートルあり県下第2位。(第1位は安土瓢箪山(ひょうたんやま)古墳)
という規模で、
特徴として、
1、湖東地域北部唯一の大型首長墓。
2、大和と深い関係にある首長墓。(前方後円墳・構築法など)
3、湖東平野よりも琵琶湖に向かって眺望が開け、琵琶湖を意識した築造。

というように 墓であったり古墳としての山がいつしか全体を神域と捉え そこにある大岩をイワクラとして 祀ってきたように感じる。 本来、神社というハコモノができる前はイワを信仰の対象にしていたことにもよるようであるが、そういった中で民族的なものが”へび伝説”を作りあげてきたのではないでしょうか? 

「彦根南部の民話」 皆川 重徳氏(彦根史談会副会長)
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/jrc/forum-pdf/r-22a.pdf
によると
三宝大荒神御縁起の中に、「当山に鎮座する、三宝大荒神と申し、世に比類なき霊像で、大蛇に乗り八面八臂の形をされ光をはなち給い、天下太平、五穀成就、国家安全をお祈りなさった。その時乗り給う大蛇は、大蛇岩と変わって、山麓に尾頭の姿をされ、当山守護の神となり今に至って、蛇岩と呼び 云々」また、「天竺より来た石にて、日に三たび口を開く石なり」
~中略~
奥山寺縁起には「天竺霊鷲山一岳が大蛇の背に乗り~」とあり、一方、三宝大荒神御縁起には、大蛇の背に乗って来られたのは「八面八臂の三宝大荒神」となっている。
民話や伝承が文字化された時、編者の立場が僧侶か神官かによって違ったのであろうか
とある。
皆川 重徳氏が推測するように
立場によって捕らえ方の相違はあるようですが
もともと 天智天皇の神代、それ以前のの可能性もありますが、インドの方の民族が日本に入ってきたことと関係があるのでは?と推測できるわけです。

「蛇岩は1日3回大きな口を開けて、人々の幸せを祈りました。」
こんな伝説もあるくらいです。きっと昔からこの蛇岩はこのあたりを守ってきたんでしょうね。
わたくしも 実はこの蛇岩にすごく気持ちが暖かくなるようなものを感じたんです。

”へび”は嫌われ者のイメージが強いですが、伝説に見られるように”善”を全面的に表現しています。
そもそも 大蛇に乗るような伝説は龍に置き換わっていそうなものですが
この滋賀県はオコナイに見られるように”へび”を神様の使いとして大事にしてきたことがわかります。

そんなことからも 今回の調査は非常に有意義なものとなりました。
ご先祖様がここ近江にいたこともあり ますます滋賀県が好きになりました。

おしまい。


それから

「広報 ひこね」
http://www.city.hikone.shiga.jp/kikakushinkobu/johoseisaku/pdf/20031001KH.pdf
の奥山さんのことばでは 興味のある人は登ってみては?
とあるので 登ってもいいものと思われますがくれぐれも周辺を荒らしたり、迷惑がかからないようにお願いしたいところです。(そういえばわたくしが行き方をお伺いしたのも奥山さんのような方だった気が・・。)

「彦根市中南部まちづくり協議会」
http://colony.ap.teacup.com/hikonetyumachi/42.html
のHPによると2011/2/26 蛇岩への参道ができたようである!!
「ひょえ~~人に聞き聞きやっと辿りついた苦労が~~~。」
わたくしが聞き聞きしたことが参道整備のきっかけになっていたら良いのですがね!?(なんちゃって)



また、このHPを見て登りに行ったけど、迷子になっちゃった、イノシシに襲われた等、ありましても責任取りかねますのでご自身の判断と責任を持って見に行ってくださいね (書きたかないけど念のため・・・。)


3日目 竹生島 宝厳寺 都久部須麻神社 につづく
 
滋賀県 へび調査隊記 (2010年08月04日~06日)
1日目 グリム冒険の森
2日目 甲賀の里 忍術村
3日目 荒神山神社 大蛇岩
竹生島 宝厳寺 都久部須麻神社
彦根城

 
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