蛇の目ってなんぞや?!
 
へび調査隊記
古代エジプトの美展 調査記  (20年7月2日) 
 2008年6/10〜7/21にかけて浜松美術館にて、「古代エジプトの美展」が催されされました。
 さあ。ここで『へび』といえるものをみつけることができるのでしょうか?


 母が、高校生のとき。今から40年以上も前に、あのツタンカーメンの黄金のマスクが名古屋にきて見に行ったという事であるが、 正直言って絵画の展覧会はしょっちゅう行くが、こういった古代の展覧会は初めてである。
 ワクワクしている。
浜松美術館 入口にて

 *注:展示物は 撮影禁止である。

 まず 目にする物で多く展示されていたのは「スカラベ」ではないだろうか。
スカラベとは 「フン転がし」のことである。
     (写真は手元に資料が無かったため カブトムシ♀とマリモを合成しています。すいません。)

いったいどのような 存在だったのでしょうか。
◎糞を太陽に見たてコロコロ転がしている事。日輪の回転を司るケペラ神の化身とみた。
◎糞に卵を生み、死んだ大地(糞)から新しい生命が孵化しふんころがしが沸いていて出てくるところから、富と繁栄と子宝に恵まれると崇められた。
◎ふんのようなものを再生する事。

以上の事から 初めて昆虫に神格を与えられ、印章に、護符に、ミイラの副葬品として、あがめられてきました。
そのスカラベは特に第18王朝(前1567〜前1304年)アメンフォテプ3世の時に大量に造られました。

今回の美展の展示品も 新王国時代 第18王朝 前1360年頃のスカラベ、第21王朝前950年頃、第26王朝前600年頃のスカラベの護符等が展示されていました。

(右写真:イートンカレッジ、マイヤーズ博物館ECM1656)

今回確認できた事。
ミイラの胸(心臓)の上にスカラベの護符を置き再生を願った訳ですが、
下記写真の様に有翼のスカラベとしても祭られたという事です。
すぐ下は有翼ヌト神  ヌト神は天空の神でもある。

それにしても左記2つの復活・再生を意味し太陽を表す護符がミイラの胸の上に置かれていたという事は、非常におもしろい。


(左写真:イートンカレッジ、マイヤーズ博物館 229)
左写真は下のミイラ写真大腿部あたりに装飾されている有翼日輪の拡大写真

という事は 太陽=スカラベ=ヌト神と考えてもよく。イコール=  四、エジプト文明 のへびの「翼のあるコブラ」や、三、ペルシャ帝国のへびペルシャの紋章プトレイマスの碑文も太陽を表す円盤の両サイドのコブラとも等しい物と推測する。
(左記写真は、今回の展示品ではない)

要するに、翼の間にある中心の紋章はすべて、太陽神と関係があり、再生や、復活を願った物であると推測するのである。
 
それほどまでにエジプト人の信仰の中には再び生まれたときの事を再生を強く願っていたことを確認できたとといえる。

そして、同様に 今回わたくしの中で1番価値のあるものとしたいのが、
展示物最後のミイラである。
ミイラ自体は、子供の頃から両親につれられどこかの博物館で見た記憶があるのでびっくりしないのだが、

『へびって?』と疑問を持つ事によって見方が変わっていた・・・。

ミイラと棺   プトレイマス王朝前250年頃おそらくアクミール出土
左記
写真上・・棺のふた


写真下・・ミイラ
ミイラ中央部の黒茶色は左腕義手

ミイラの心臓部に有翼スカラベ
下腹部に有翼女神
その下に有翼日輪

棺 側面

上写真木棺の両側面に描かれている絵が、下イラストであります。
さっさっと書いたので多少違うかもしれません。胴体に赤と黒の点線が2本あった気もします。
写真撮影がだめというのが残念ですが
学芸員に図録を見せてもらい側面の写真が無かったので、許可を得てスケッチしてきました。
家内も同様に「へびだね!」といっておりました。

ミイラの写真など本では見る事ができますが案外、木棺の側面の写真が無いんですよね。今回はいい物を見せてもらいました。

まとめとして
 これらの事から ミイラにする事、またその副葬品やもろもろは、再生するためのあらゆる手段をとってあの世での加護を受けたい、そして復活したいという思いを 見る事ができるのとおもいます。
 もう1つ
 吉野裕子先生は、著書中”サナギ””ナギ”についてもへびと述べられている。これについては、インドの神様中国の神様に「ナーガ」というのがあり異論は無いと思います。
またミイラも包帯をぐるぐる巻くことにより サナギや、へびの脱皮のようにして、再生・復活を祈ったとも述べられています。

まさに ミイラにする事 それは へびにする事といえるのではないでしょうか。
 
ということで 
第七章 「へび」を表すもの 八、ナギの発音 にアップしたいと思います。















感想
調査に関しての感想です。
 よく、こういうところに行くと、霊的な物を感じるのではと、ちょっと怖いイメージがある。
母がまれに登山で霊を見るように(登山でなくても居るとこには居るとおもいますが)
今回わたくしが霊ではありませんが、感じたのは やはり奴隷系の人形である。ヌビアの少女には感じなかったが、”それ”を見たときは頭がふっと気持ち悪くなった。長引いたらやだなぁと思ったが10分ほどで回復できた。
 ただわたくしにとって このへびの調査や研究はプラスになっている気がする。へびを見た日なども縁起が悪いと思いきや、予約が入ったり、思ったような仕入ができたりといいことがあるように感じる。
 これも商業のへび神様の所以だろうか?(霊的なものの感じ方は個人差があると思いますので気にしないでくださいね。)

 展示物は先史時代前5200年以降の石鏃があったり(日本の石器時代にもこのようなものが有ったような?)、多数の展示物、上記ミイラの側面が見れたり、と有意義な調査でした。
ただ 今回学芸員さんに質問した
「なぜ、展示物に青が多いのか、釉薬はなにか?」
「スカラベを護符や印章として使用されるようになったのはいつ頃か」
などといったいくつかの質問。娘や家内の疑問には
満足な解答が頂けなかった。
その場で図録を調べる様子から質問は止めました。

そして 娘の巳子は小2でも小さいから未修学と思われたかもしれないが マークのきつい事きつい事。

 展示物に触らない様には当たり前に親も気をつけるが、ガラスに触れない様に傍でガラスを磨く学芸員さん。にはたじろいだ。
 ショーケースのガラスの下の白い台に手を触れただけでも 台に触らないようにと巳子に注意されてしまった。 巳子の身長では覗き込めない 虫眼鏡で見ないと見れない展示物の付近で・・・。

 「巳子はエジプト好きだよ」とついてきた娘もこの時点で面白くなさそうだった。

 最後に、許可を得てミイラの側面をスケッチし終えたのを見て 
巳子も真似して書くのだが、ボールペンで書くのはだめですと、再び娘にイエローカード。
 だめなら、親のわたくしがスケッチしている時点で、ご指摘頂ければ良かったものを、大人は良くて子供はだめなのか といった変な部分を見せるに至ってしまった。


以前 某作家の個展が浜松市美術館であり、作家さんから直接招待券を頂いて、同じように家族で見に行った事が有る。平日の合の時間なので来客はかなり少なかったが私達の後ろに前に学芸員の監視の目である。
ここまで監視がきついのはここならではなの??

子供に芸術や感性を豊かにするきっかけにと、良く美術鑑賞をするが、
沼津のビュッフェ美術館は、館内も外もモダンな雰囲気の中に幼稚園児も美術に触れるきっかけを提供している。監視員はつくが、さりげなく遠くである。

資生堂アートハウスも何度と行くが、日本画や工芸も一級品を展示していながら 監視員が付かない。監視カメラで監視しているのだろうが、本当に素晴らしい環境の中 娘も穏やかな気持ちで鑑賞している。

今回巳子の目に映った学芸員さん達は 間違い無く学芸員でなく監視員に見えた事であろう。
監視がきつかったのは、間違いなく私どもの責任で親がもっと子供に対して監視の目を強くしていないといけなかったなぁとも反省する。が、こどもも 小さいうちからのびのび鑑賞できる環境を、感性を引き出せる環境を整えてほしいなぁ。

 そんなわけで 娘には 黄金のツタンカーメンのキーホルダーをお土産に買ってあげました。
小ニのピンクのランドセルに ツタンカーメンって・・・・。

 パパは、高校生のとき高校指定のバックに一目で自分の物とわかるように「ちびまるこちゃんのバッチ」がついていたけど・・・。 
 「当時は今より更に爆発的な人気だったんだい!!」 (いい訳 ・・・ 笑。)

 「アニメおたくだったんだい!!」 (家内 ・・・ 笑。) 



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