蛇の目ってなんぞや?!
 
へび調査隊記
浜松市楽器博物館 調査記  第二弾 (20年8月11日) 
浜松楽器博物館 
http://www.gakkihaku.jp/index.html

・開館時間:9:30〜17:00
・休館日:毎月第2・4水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、その他臨時休館日あり
・常設展入館料(特別展開催時は別途特別展観覧券が必要です)
・常設展入館料 大 人 400円


右写真・・・楽器博物館玄関)

今回の目的はH20年7/6〜8/31 開催の企画展。
 『敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)壁画からの復元楽器』展に 
 「蛇・へび」をみつけることができるでしょうか? あるいは、火不思(クーブース)や、扎年(ダムニアン) のような蛇皮線・三線の祖先にあたるものはあるだろうか?

左記は、「複元楽器展」パンフレットより

莫高窟(ばっこうくつ)」  は、
敦煌市東南25kmに位置する鳴沙山(めいささん) にある。600を越える洞窟があり、壁一面に壁画が描かれ仏塑像が安置されている石窟の一つであるが、規模・歴史・内容等で、他の石窟を圧倒しているため 敦煌石窟といえば 莫高窟を指す。

 五胡十六国時代 前秦の統治下にあった北涼355〜366年頃から 元代の1000年に渡って彫り続けられた。
 

左記パンフレット中段は花辺弦阮という楽器(初唐) 
左記パンフレット下段は一弦弯琴という楽器(北魏)

壁画の装飾も素晴らしいですが 展示されている楽器も現在でも目にするような篳篥(ひちりき) 琵琶(びわ) (そう) (つづみ) 等 楽器の文化がそのまま日本に伝わっているようで素晴らしかったです。

展示品
    花辺五弦阮(かべんごげんげん)
    弯琴(わんきん)
    横笛(おうてき)
編鐘(へんしょう)
 曾候乙墓出土品
 
編鐘の足

 複元楽器唯一 龍?へび?っぽい装飾を見ることができました。
 この模様は銅鏡などに見られる模様と似ていますね。

 「う〜ん へびはいなかったか〜〜」と がっかりして 地階に下りていったら「びっくり」
前回行ったときの展示物が 半分 くらい 代わっていました!!

 ココより 下 常設展

 「いたよ〜〜〜 へび君」
太鼓  コートジボアール


(左記拡大写真左90度回転)
「へび はっけ〜〜ん!!」
太鼓  アフリカ


(左記拡大写真左90度回転)
「へび はっけ〜〜ん!!」
ガラムート  パプアニューギニア

この模様は 縄文式土器に似ている。
横吹きトランペット  パプアニューギニア
わたくし達が普段目にするトランペットとはちょっと違うようですが・・・形がへびっぽい。。

同じく 縄文土器などに見られる模様ですね。


ラッシャン・バスーン

 『フランス人音楽家J・Regibo(レジボ)が、セルパンの改良楽器として1789年に考案。持ちやすくするためにファゴットの形状と構造を採用した。彩色した竜頭のベルを持つことが特徴。
 ロシアやプロシアの軍楽隊で19cに普及』 注釈より

 そのまんま  蛇です・・・・  。  
 ローマなどで見られる「ノギ」(頭部のツノみたいな毛みたいなもの)がついています。 註釈では竜頭とありますがセルパンの改良形ということから 蛇頭としたほうが良いでしょう。
オフィクレイド

 『大型低音のキュー・ビューグル。U字型の形状が特徴。1817年パリの楽器製作家Halary(アラリ)が考案した。
 イタリア、フランスなどの軍楽隊で普及。テューバが現れるまではオーケストラでも使用され、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲の用例が有名。
 名称はギリシア語のophis(オフィス) (蛇) と kleides(クレイデス) (鍵)からの造語』 注釈より

 右が本種・左が「バス・オフィクレイド」 
オリファント

 ホルンの仲間で、全長60cmほど。ヨーロッパに広くひろまり、この象牙に蛇などを施したオリファントは特に中世の貴族が狩りをするときに用いたそうです。(電話にて確認) 全体がか竜のように先が頭になり胴体部分にも、や、角のある牛?や人物が彫られている。(ギリシャ神話かは不明)


ジュゴッグ

 『バリ島西部、ヌガラ地方サンカルアグン村周辺に伝承する、世界最大の竹琴。竹筒は8本、2人で演奏する。
 またそれを中心楽器とするサイズの異なるジュゴックとの合奏形態もジュゴックと呼ぶ。
 彫刻には、聖獣バロン、ヒンデューのヴィシュヌの守護神ガルーダ、力の神ナーガ(=龍)、ブワヤ(=鰐)など。』 註釈より



感想
 
 『敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)壁画からの復元楽器』展から、三線のルーツになるような楽器が見られるといいなあ。あるいは 「へび」関係があるといいなあ。
 と思って ワクワクしながら行きました。
 
 残念ながら企画展からは 期待する物はありませんでしたが、常設展の展示物入れ替えによって へび関係の楽器を多数目にする事ができました。

 今回の注目点は  パプアニューギニアの楽器が 縄文時代の模様に似ているということです。 そもそも 縄文人は 日本に古くからいる民族で、学校で習ったような生活をしていたという認識があります。もっともわたくしが学生のときは稲作は弥生時代に渡来人によってと習ってきましたが、現在では縄文時代後期にはすでに長江あるいはインドネシアからジャポニカ米も伝わっている事はご存知の通りでして・・・・。
 縄文人も 東南アジアから海を渡って入ってきたということが、へび紋からも伺い知る事ができるわけです。

 もう一つ ラッシャン・バスーン オフィクレイド オリファント これら三点を見ても形からも名前からも 堂々のであります。

 ラッシャン・バスーン オフィクレイドは註釈の通りでオフィクレイドにとって変わる事になったチューバ(tuba)は、ローマ時代から管楽器の名称として用いられており「管」を意味する言葉「チューブ」と同じ語源ということです。
 オリファントはエレファント(象)が語源で 象牙に彫刻を施した角笛ということです。ホルンは 英語・ドイツ語ではhom・フランス語ではcor・イタリア語ではcornoと言い、「コール」・「コルノ」は、『角』を指す言葉の様です。ホルンの起源はオリファントにあるようですが、中世と言っても初期は6世紀頃〜後期16世紀と長いです。

 いづれに致しましても 今まで見てきた へびがヨーロッパで広く支持されてきた時代と重なり、 楽器からも ヨーロッパにおいてヘビが 崇拝されていた事を改めて確認できたと思います。

 第7章 八、楽器 へびに関するもの  に編集 追記したいと思います。
 


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